経済教育学会第21回全国大会のご案内

2005年12月3-4日(土・日)/弘前大学

 

■大会テーマ 経済教育の今を問う―目標・内容・方法の再構築を目指して―

■実行委員長メッセージ

大会実行委員長 猪瀬武則(弘前大学)

 本年7月9日、内閣府の主催で「経済教育サミット」が開かれました。そこでは、構造改革の進展と官から民への転換、「希少性」「選択」「機会費用」「リスク」といった経済学的な考え方を身につけ、合理的な意思決定を行える自立した市民を育てることの大切さが強調されました。一方、一部の欧州の経済系の学生・教員の間では、現実の経済問題との関係が希薄で「閉鎖的」な経済教育のあり方に疑問を呈し、より多元的で開放的な経済教育のあり方を模索する運動も展開されています。

 このような情勢をにらみ、今次大会では、「経済教育の今を問うー目標・内容・方法の再構築を目指して」というテーマに挑戦することとしました。

 初日の全体集会では、職業的エコノミストとはならない学生・生徒・一般市民を対象とした場合、時代と学習者の実態が求める「経済教育の目標」とは何であり、どのような「内容」を精選して教える必要があるのか。学習者が今、身につけるべき「エコノミック・リテラシー」とは何かを議論したいと考えます。その上で二日目の分科会では、専門的な分野にも分け入りつつ、「どのように教えるか」といった教育方法や評価・制度のあり方にも踏み込んだ報告と討論を行いたいと思います。

 時代の課題と切り結び、学習者・若者たちの苦悩によりそった、絵空事ではない経済教育のあり方を模索する良い機会です。また大会翌日の12月5日には、三内丸山や世界自然遺産の白神山地を探訪するエクスカーションも企画しています。ふるってご参集ください。

■大会プログラム

12月3日(土)
時間 会場 プログラム
12:00-13:00  

幹事会(旧)

13:00

受付開始

13:30

開会

13:30

  開会挨拶 代表幹事 森靖雄(東邦学園大学)
13:20-14:30   講演
「大学基準協会で経済学教育にかんする基準づくりにたずさわって」
大野節夫(同志社大学)
14:20-14:30 休憩
14:30-17:30  

シンポジウム
「何のために何を―エコノミック・リテラシーの内容を問う」

司会


パネリスト

平野喜一郎(三重大学)
山岡道男(早稲田大学)

浅野忠克(山村短期大学)
岩田年浩(関西大学)
玉真之介(岩手大学)
藤岡惇(立命館大学)
山根栄次(三重大学)

17:40-18:20   総会
18:20-19:40   懇親会
12月4日(日)
時間 会場 プログラム
9:00-10:40
セッション1
 

1-A 導入と動機付けの教育

  1. 大学における経営・経済学分野における導入・基礎教育試案―ジュニアアチーブメント各種プログラムの実践経験を踏まえて/夏目重美(亜細亜大学)
  2. 『はじめて学ぶ経済学』を執筆して/平野喜一郎(三重大学)
  3. 教養的教育“価値論”の試み/佐中忠司(比治山大学)

  司会:一井昭(中央大学)

 

1-B 高等学校・高等専門学校における経済教育

  1. 高等学校における経済教育の実践―アカデミッククエストを利用しての試み/水野英雄 (愛知教育大学)
  2. 高等専門学校のホームルームで実施したキャリア教育/田中淳(都立航空工業高等専門学校)

  司会:越田年彦(都立三鷹高校)

11:40-11:50 休憩
11:50-12:30 セッション2
 

2-A 経済理論の教育

  1. 産業組織論の視点による経済教育/保立雅紀(東京工業大学付属科学技術高校)

  2. 機会費用の教育性再論/新井明(都立西高校)
  3. 経済学における公式の意味の解釈/金子浩一(新潟経営大学)

  司会:三宅忠和(日本大学)・鈴木典夫(福岡教育大学)

 

2-B 時代の課題と切り結ぶ

  1. 心が弾む教材作りー統計表『戦後日本経済の歩み』を作成して/箕輪京四郎(元横浜商業高校)
  2. 北東アジア諸国における教育制度と歴史認識教育の比較―日中韓の歴史教科書の比較を中心にして/川西重忠(桜美林大学)
  3. 大学における『環境会計』教育の現状―実態調査にもとづいて/市川一夫(兵庫県立大学)

  司会:佐々木洋(札幌学院大学)

 

2-C 教育方法

  1. ゲーム教材を活用した経済学習の効果にかんする考察/中川壮一(消費者教育支援センター)・猪瀬武則(弘前大学)
  2. ホームページへのレポート提出と対話を重視した『平和の経済学』の実践/藤岡惇(立命館大学)
  3. 総合学習のなかで『調査のコツ』を教えることの大切さ/森靖雄(東邦学園大学)

  司会:関根猪一郎(高知短期大学)

12:30-13:20 昼食休憩
13:40-15:30 セッション3
 

3-A より良い地域を創るための学び

  1. 地域見学をポイントにしたゼミ教育/古河幹夫(長崎県立大学)
  2. 産学官民連携による空き店舗事業を通しての商学教育の実践/水野勝之(明治大学)
  3. まちづくりと大学教育(経済学部)の新しい可能性/宇佐見義尚(亜細亜大学)・田中人(亜細亜大学)

  司会:増田正人(法政大学)

 

3-B アジア太平洋地域の経済教育

  1. フィリピンにおける経済教育―フィリピン大学経済学部の事例を中心に/アメリア・L・ベロ,ジョゼ・V・カマチョ(フィリピン大学ロスバノス校)
  2. 近年の米国における金融教育の展開/栗原久(信州大学)
  3. パーソナル・ファイナンスに関する理解度の日米比較―第6回生活経済テストの結果を中心にして/阿部信太郎(城西国際大学)他

  司会:山岡道男(早稲田大学)

 

3-C マネージメントとキャリア形成のための教育

  1. オリジナル商品開発と販売の実習/長谷川博(富山商船高等専門学校)
  2. 受講生の企業研究発表を軸とした経営学の授業―高等専門学校低学年一般科目における実践の紹介と検討/横田数弘(富山商船高等専門学校)
  3. 経営者トップによる経営実践特別講座の事例/須江国雄(佐野短期大学)
  4. 大学における公務員試験対策講座の導入実例とその課題―経済系科目を中心に/佐々木謙一(大阪商業大学)

  司会:塚本隆敏(中京大学)・草原光明(日本大学)

  閉会
12月5日(月)
9:00-14:30
エクスカーション(三内丸山、白神山地)(希望者のみ。料金4000円程度)

■会場(弘前大学)へのご案内

(飛行機)
福岡---120分--->青森---(JR50分、空港路線バス60分、路線バス85分)--->弘前
大阪---100分--->青森
名古屋---80分--->青森
羽田---70分--->青森
札幌---50分--->青森

(列車)
東京---新幹線--->八戸---特急--->弘前

(列車とバス)
新幹線で盛岡--->高速バス「ヨーデル」120分--->弘前

(高速バス)
浜松--->高速バス「ノックタウン」9時間15分--->弘前
仙台--->高速バス「キャッスル」4時間--->弘前

※ 弘前駅から大学前まで、バス乗り場3番から140円、10-15分間隔タクシーで700円程度。

■大会事務局 猪瀬武則(弘前大学)猪瀬武則先生メールアドレス(スパムメール対策のため画像で表示しています) Tel.:0172-39-3352 Fax.:0172-36-2147
■学会事務局 三宅忠和(日本大学経済学部)


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