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神奈川県立平塚農業高校初声分校金子幹夫会員の取材

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 2016年11月11日、神奈川県立平塚農業高校初声分校で教鞭をとる金子幹夫会員の授業を取材しました。金子会員の授業のユニークさから、全国から視察が相次ぎ、取材に訪れても、生徒たちは慣れた様子でした。

 この日は、3年生対象の「現代社会」の授業でした。生徒数は約30名です。消費者がいかにして商品を選択するかという内容でした。ペットボトルのお茶といっても様々。その中で人気があるものもあればないものもある。その要因はどこにあるのか。それを探る授業でした。

 前の授業では、第1ステップとして、どの銘柄が好きかを生徒に点数化させました。第2ステップでは、その上位5銘柄のコマーシャルを1時間見た後、買いたいと思ったそれらの順位を点数付けしたそうです。

 さて、取材当日の授業では、それらのお茶を実際に飲んで、点数付けをする実験が行われました。印象やコマーシャルでの順位付けと実際に味わってからの順位付けとはどう違うのかを学ぶためです。消費者がいかに印象やコマーシャルに引っ張られて買い物をしているのかを実体験させようという試みでした。

 金子会員が銘柄が分からないように入れ物を移し替え、色も見えないようにしたボトルから、一口ずつ全員にお茶が配られました。5枚柄についての味比べです。最初に飲んだ銘柄は不利になる傾向があるとのことで、最初は5銘柄以外のお茶を飲み、その点数を5点として、それを基準に5銘柄をそれぞれ10点満点で点数化しようというものでした。まず、Aと名のついた銘柄です。生徒たちからは、「後味すっきり」「にがい」「飲みやすい」・・・という感想が返ってきました。Bという銘柄には、「初めて飲んだ味」「やさしい」・・・という感想が、Cという銘柄には、「一口目は甘い」「いかの味がする」「けっこう好き」・・・という感想が寄せられました。残念ながら本日の授業はここで終わり。銘柄D、銘柄Eの試飲は次回の授業になりました。

 その次回の授業の結果を金子会員にお尋ねしました。

「第一印象でのお茶の順位,テレビコマーシャルを見たあとの順位、試飲したあととでは順位が異なることを生徒全員で確認しました。授業を進めるにあたって教師と生徒が共有する問いは、人間はどのようにして「選択」をするのか?というものです。今回は商品でした。しかし公民科の中には、人間の行動そのものであったり、政策の選択であったりと、いろいろな選択場面に遭遇します。選ぶとはどういうことなのか?という問いを科目の中で問い続けたいと思います。」

 金子会員がお話しするには、「経済の学習に関心のある生徒もいればない生徒もいます。生徒全員が参加できるように授業を工夫していきたい」とのこと。授業を拝見させていただくと、生徒はやる気をもって金子会員の授業に臨んでいるし、楽しそうに勉強していました。

 初声分校を訪問してとても驚いたのは、教室内でも、そして教室外の他学年の生徒にも、生徒に挨拶されることです。積極的な挨拶がなされていて感激でした。金子会員にお話しすると「本当ですか」と驚いていましたが、学校の方針ではなく自主的に挨拶をする生徒たちということが分かり、より一層驚かされました。