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[出版案内]経済学と経済教育の未来

学術会議「参照基準」を

学会・学派を超えて真摯に検討し

経済学と経済教育の可能性を追究する


八木紀一郎(代表) +有賀裕二・大坂 洋・大西 広・吉田雅明編

経済学と経済教育の未来

桜井書店 2015年3月下旬刊行 A5版上製3200円(税別)


執筆者(執筆順)=八木紀一郎・大坂 洋・吉田雅明・大西 広・塩沢由典・有賀裕二・浅田統一郎・足立真理子・遠藤公嗣・岩佐和幸・岩田年浩・橋本 勝・森岡孝二/付録「大学教育の分野別質保証のための教育課程編成上の参照基準(経済学分野)」・同解説文書=岩本康志


本書を推す

生物も社会も多様性を失うと滅びていく。

経済学も例外ではない。

金子勝(慶応大学教授)



経済学教育の画一化に抗して
本書の企画は,日本学術会議の経済学分野の「参照基準」
の策定作業に対して多くの学会および研究者・大学教員が憂慮を表明した署名運動の中から生まれました。

多様性と創造性の促進こそが民主的な社会の基礎
ー経済学の社会性・創造性をとりもどすー
経済学教育の画一化とそれによる学生・生徒たちの視野の狭隘化は,経済学自体が社会科学としてもつべき多様性と創造的な発展の可能性を失わせかねません。

現在の大学での経済学教育の画一化への動きは,各大学,各学部レベルでの人事やカリキュラムをめぐる議論においても強い影響力を持っています。それは大学のみならず,中学,高校での社会科教育,ひいては市民の全般的な社会科学的リテラシーに波及しつつあります。経済学教育が一面的なものになることは,多様性と創造性を保証しながら協働していく民主主義的な社会の構築にとって誠に憂うべきことです。

学派・学会を超えた真摯な討論
本書は所属学会・学派を超えた執筆陣により,多様な側面から参照基準を検討してゆきます。『参照基準』問題の背景にある大学教育の「国際的質保証」の課題を批判的に考察し,標準的とされている経済学を中心とするカリキュラムを超える多様性を経済学が持っていることを伝えるとともに,経済学の教育の創造的可能性を探求してゆきます。

目次
まえがき 八木紀一郎
序論 経済学の「参照基準」はなぜ争点になったのか(八木紀一郎)
第1章 教育に多様な経済学のあり方が寄与できること――教育の意義を再構築する――(大坂 洋)
第2章 経済学はどのような「科学」なのか(吉田雅明)
第3章 マルクス経済学の主流派経済学批判(大西 広)
第4章 競合するパラダイムという視点(塩沢由典)
第5章 純粋経済学の起源と新スコラ学の発展――今世紀の社会経済システムと経済システムの再定義――(有賀裕二)
第6章 「経済学の多様性」をめぐる覚書――デフレと金融政策に関する特殊日本的な論争に関連させて――(浅田統一郎)
第7章 経済学に「女性」の居場所はあるのか――フェミニスト経済学の成立と課題――(足立眞理子)
第8章 経済学の多様な考え方の効用――パート労働者の労働供給についての研究例から――(遠藤公嗣)
第9章 地域の現実から出発する経済学と経済教育――地域経済学の視座―(岩佐和幸)
第10章 主流派経済学(ニュークラシカル学派)への警鐘――経済理論の多様性の必然――(岩田年浩)
第11章 大学教育の質的転換と主体的な経済の学び(橋本 勝)
第12章 働くために必要な経済知識と労働知識(森岡孝二)
付録
大学教育の分野別質保証のための 教育課程編成上の参照基準:経済学分野(日本学術会議)
「経済学分野の教育課程編成上の参照基準」の審議について(岩本 康志)