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桜修館中等教育学校の授業

 

桜修館中等教育学校の取材

 

 

 1219日(木)、東京都立桜修館中等教育学校にて、高橋勝也会員の授業を取材しました。中学3年生の社会科の授業で、桜修館中等教育学校で公民実習と位置付けられている授業です。

 授業は視聴覚室で始まりました。今回のテーマは「マンションで経済を考える」です。具体的にあげられたのは「景観権」です。東京国立市の大学通りは近くの住民たちが一生懸命景観を整備していました。そこに、高層マンションが建ってしまったため、住民がその撤去を訴訟という形で訴えました。1審は7階以上を撤去させる判決が出ました。2審はその逆に撤去しなくてよいというものでした。

 高橋会員は「幸福の追求」という考え方をあげ、住民側と開発業者側両方の幸福がぶつかったのがこのマンションの事例であることを説明しました。生徒たちに近くの人たちでグループを組ませ、住民側の主張・幸福は何か、開発業者の主張・幸福は何か、自分が最高裁の判事だったらどのような判決をくだすか、その理由は何か、どのようなルールがあれば対立は生じなかったかを議論させました。そのあと、高橋会員が各グループに話し合いの結果を聞きました。「事前に市がルールを作っておくべきだった」「住民はもっと早く行動を起こすべきだった」などの意見が聞かれました。

 高橋会員のほうから、一つの解決方法として、「公開空地」を作り、そこをマンションの住民だけでなく、地域の人も憩えるようにすることがあげられるという話をされました。開発業者も地域住民も両方が幸せになれるシステムだとのこと。生徒のみなさん、納得です。最後には、「空中権」を売却、活用することで見事に復元を果たした東京駅の事例も話も出されました。JR東日本、不動産業者、駅ビルフロアーをレントする企業によるトリプル・ウインの関係が、これからの日本経済を発展させる関係であるとの力説は、かなりの気持ちが込められていました。

 今回、マンションと景観権を題材に、競合する二つの立場をあげ、その競合を解決するためには、その折り合いのつくルールを事前に作っておくことが重要であることの勉強になりました。生徒たちの考えた「事前に市がルールを作っておくべきだった」ということは、市がやるか別の機関がやるかはともかくとして、最も重要な結論だったわけです。自分たちで現実的な解決法を考えだす、そして考え出せるという点で「考える」授業のモデルだったと言えましょう。